庭にミニトマトを植えた友人から、メールが届いた。その友人、私より若いのだけど、私より早くリタイァした友人である。短パンでミニトマトの収穫中にやたら蚊に食われ、痒くてたまらんという。雑草が蚊のはびこる原因、腹が立つとメールで訴える。そこで「少しぐらいの血は分けてやりなさい、蚊だって子孫を残すために必死なのだから。雑草を刈り取ったって、飢えた蚊は間髪をいれずに吸いついてくる。彼等の獲物を嗅ぎ当てる嗅覚は驚愕ものだ、蚊は凄い!人間より優れているのだ。」とメールを返した。それだけでは友達がいがないので、「マラソンを750倍にして撒けば蚊も毛虫も死ぬ、ただし、必ずマスクをして、手にはラテックスの手袋、長ズボン長そでのシャツで皮膚を覆うこと。」と助言した。すると、マラソン100倍ぐらい、素手で扱い、除草剤も濃い目で素手だと返事が返ってきた。最後には「男らし~」と添えてあった。午後は、100キロの巨体をハンモックに横たえ、昼寝だという。一事が万事そんな調子の男である。
 ここからは私のことである。10年ほど前から60坪の家庭菜園を楽しんでいる。収穫した野菜は家族で食べるほか、妹たちやご近所に配っている。自らや身内の口に入るものなので、使う農薬は最小限だし、超がつく安全なものを選んでいる。そのためか、畑に入るや否やあの恐怖さえも感じさせる蚊の羽音がわが身を取り囲むこととなる。
 そこで、この時期、蚊取り線香を腰にぶら下げての畑仕事となる。この蚊取り線香、今も変わらぬ昔ながらの蚊取り線香だが、侮るなかれ、簡単で効果は絶大にして人畜無害!しかもあの香りには夏を感じさせる風情があるではないか!金鳥の夏日本の夏、だとか、私は蚊取り線香が好きなのかもしれませんだとか、日本人の感性をとらえた絶妙のコピーが口をついて出てくる。コピーライターの感性には脱帽である。