数日来、花粉が地面から天井はるか高いところまで満ち満ちているようである。私は、スギ花粉では大したことはないのであるが、ヒノキとなるとまるで無防備!免疫力は0に等しい。人には「スギは大したことはない。が、ヒノキはだめだ!私は、君たち庶民よりグレードが上である。」といっている。
 今朝、老犬を連れての散歩では、マスクの中が、鼻水でベチョベチョになってしまった。目玉はかきむしりたいほどの痒み。動物たちも、痛さは我慢できるが、痒みは我慢できないというのが通説らしい。数年前に大量に繁殖した狸も、皮膚病で壊滅的な減少をしたという。実際、タヌキの足跡は少なくなったし、疥癬に苦しむハクビシンも目にしている。
 ところが、である。海の上で釣り糸を垂れているときは、不思議と鼻水も出ず、目の痒みさえもない・・・・不思議である。つまり、この苦しい現実から逃れるすべは船釣りしかない!と私は主張したいのだ。しかし、「なんと嘆かわしい、緊張感の欠如以外の何物でもない」と、友人は言う。心頭を滅却すれば火もまた涼し…と言ったとかいう恵林寺の快川禅師まで引き合いに出す。悔しいから言うのだが、もともとの出典は唐の詩人、杜筍鶴の詩である。それに、近年の日本中をすっぽりと覆ってしまうほどの異常な花粉は、林野行政の失敗に他ならない。早くあるべき生態系に戻さないと、山の続きにある海までもが痩せて包容力を失うだろう。
 昨日からは台風並みの強風が吹き荒れている。ブローのたびに揺れる、木と紙でできた築40年のあばら家は、余震も風も一緒くたである。明日は雨まで加わるらしい。到底沖に出られる天気ではないだろう。が、待て待て、東京湾ならもしかしてと、波情報を確認していると、「明日は銃検査に行くんでしょ」と奥が水を注す。することは見つかったが、明日もまた、鼻水と目の痒みに苦しむ一日になりそうである。