墓参りから帰り、庭(我が家は75坪の敷地だから多寡の知れたものだ)の白萩をうっとりと眺めていたら、突然携帯が鳴った。見ると、釣りクラブの会長さんである。メンバーが足りないのかなと電話に出ると、案の定明日の仕立てに来いとのお達しである。狙いはワラサ!船宿はよくお世話になる金沢八景の米元釣船店である。明日の母の世話を奥と妹に頼み、準備に取り掛かった。といっても、初体験!ネットで釣行記を探し当て、極意をのぞき見る。イカの短冊を持ってけとの記述に、最後のヤリイカを解凍して、短冊を造った。竿は鯵釣りに使っているバンデッドライト深場にしようかゴウインにしようかと迷った末にゴウインをチョイス!天気もよさそうなので、日焼け止めも確認し、早めに床についた。
  4時に母のパッドを取り替え、ちょっと早いなとは思ったが、金沢八景に向けて出発!湾岸線は空いている。70キロでゆっくり走行。八景手前のファミマで海苔弁と、昼用に、おにぎりとパンを買い米元釣船店の駐車場へ6時過ぎに到着。指示に従って車を泊め、早速朝食を食べて船に向かう。
  美人で元気な女将や船長に挨拶を交わし「ワラサだけど、鯵のほうがいいみたいね。」と水を向けると、「今日も鯵は良さそうよ。でも、ワラサもここんとこ出ているからね、期待できるんじゃない。」と言う返事が返ってきた。すでに乗合船は満員の盛況ぶりである。
 そうこうするうちに9人のクラブの面々が集まってきた。くじ引きで席を決めると、私は右舷胴の間。「よしよし、どっちに流れても、コマセが効くぞ。」と冗談を言いながら船にセットする。コマセも1個を海水に漬けて解凍し、残りはクーラーにしまう。いつものように船長とメンバー一同が挨拶をして、釣り方のレクチュアで、「着底後に棚を取るとエサ取りの餌食になるので、海面から棚を指示します。」と説明をうけていざ出港!一人船室に入り、剣崎沖までの1時間余を寝て過ごすことにする。と、何か様子が変。キャビンから出てみると、米元釣船店が近づいてくる?なんと、竿を忘れたのだとか!この歳では己が竿では役には立たない!竿を積んでさあ出港!するとまたまた戻る?今度はバッテリー忘れだとか!これでは時合に間に合わぬと、さすがに少しふて腐れてしまう。
 航行1時間余!沖にびっちりとスパンカーのマストが林立するのが見える。やがてマストの中に入り、さあどうぞとなった。棚は35メーター。コマセをじゃんじゃん撒くが、ほかのメンバーはなんとなく音なしの構え?周りの船を眺めるが、シブイ?みたい。それでも、ブザーの音が響き、船は群れを追って移動と投入を繰り返す。
 やがて前と隣の船で入れ食い状態に突入!右舷でも左舷でも竿が引き込まれて、仲乗りさんがタモを持って船上を飛び回っている。前の船は満員状態で、コマセが効いているようだ。大船長は「いい反応が出ているよ。」と9人を叱咤激励するが・・・中りは・・・来ない。付けエサすらかじられもせず、釣れるのはオキアミばかり!と、突然竿が引き込まれた!のは、隣のI先生だ。竿を立て、必死に巻く、が、惜しくもハリス切れ!8号のハリスが切れた!イナダじゃないな、次は私と期待が膨らむ。艫でS先輩が竿を立てやり取りを始めた。竿が弧を描き、釣り人は海面をにらんで巻く、巻く、巻く。と急に弧が緩み、これまたハリス切れだとか。私にもガッガッとあたったが食い込まず以後静かになる。合わせを入れたほうが良かった?その間に会長が1本立派なワラサを釣り上げ、面目を果たす。また隣のI先生に中り。今度はゆっくりと慎重に巻いている。見えてきた魚は会長より大きなワラサ!船長の差し出すタモに無事収まり、にっこりと満面の笑みだ。「先生、おめでとうございます。」と声をかけると、「腕が痛いよ。」と喜びのお言葉が返ってきた。会長が何枚か写真に収めた。来月21日の同じ米元釣船店での鯵釣り大会で写真をもらい、また魚を手にした時の喜びと巻き上げる時の緊張感を反芻することだろう。
 結局、この日、私たちの船では2本のワラサが上がった。ハリス切れが2回?私にはその後中りが訪れることはなく、消化不良な一日だった。帰港してから船長が前日釣った見事な中鯵を4匹ずついただき、ワラサ1本はじゃんけん大会で、O先生のクーラーに収まった。それにしても、8号のハリスが切られるとは…。この日、鯵の頭は80匹だとか。海況を見て週末に海に出たい。もう一度萬栄丸でワラサか、米元釣船店の鯵か。迷う!

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