エルの姿が見えなくなった。エルとはブログの背景に使っている猫の名前である。
 2週間ほど前、団地の入り口のほうへ向かってゆったりと歩いている姿を最後にいなくなってしまった。あちらこちら探しているうちに、2週間が過ぎてしまった。そうは遠くへ行ってはいないと思うのだが…。2週間もたってしまい遅すぎるのは分かっているが、行方不明になったペットを捜索する専門業者に捜索を依頼しよう!全くの室内猫で、外に出ることは心底嫌っていて、抱き上げてドアのほうへ向かっただけで必死で逃げ戻る猫だったのに。だいたい、団地からは引っ越してしまったあとなのになぜ団地なのだろうか…何かがおかしい?
 おかしいはずである。なぜならこれ全て今朝の夢だからである。12月2日で、エルが亡くなってからまる3年になる。賢い猫で、帰宅すると風呂場の出窓からしきりと泣いて迎えてくれた。多様な鳴き声で、意思を伝えてもいた。すらっとした長い前足を持ち、障害物は実にしなやかに飛び越えることが得意だった。しかし消化器系の病気を持っていたため、治療薬の入った食事を夜中も2時間おきに与えるという、乳呑児を育てるような生活をしてきた。が、最後はあっと言う間もなく、召されてしまった。わたしと奥とが見守る中で召されたことが、せめてもの救いであった。と言うのは、最初に飼った猟犬サースデイは友人の獣医宅で独り召されたからだ。
 夢に戻ろう!見えなくなって2週間もたってから捜索を依頼し、遅すぎたと後悔したのは、今までの私の人生に由来していることは間違いない。ことに接して判断に迷い、チャンスを逸してしまったり、より複雑にしてしまったり、多くの方々に苛立ちや不安を長い時間いだかせてしまったりしたことは枚挙にいとまがない。優柔不断を絵にかいたような人生だった。これからの人生は…と決意するが、リタイヤした今、残された時間は少なく、決断を求められるような場面も…そうはなさそうである。せめて船の上では海の状況や魚の活性を考えて判断を早くし、その判断を億劫がらず行動に移したいものだ。今夜は萬栄丸のクロムツを狙う!