22日のタイ釣行は空振りに終わってしまった。35メータラインでよい中りはあったのだが手にすることはできなかった。釣果はリリース1、手のひら大が3、ショウサイフグ1。船長からソゲをもらったり幸ちゃんから小鯛をもらったり、歳暮用のタコを4杯買った魚屋からワラサクラスのイナダをもらったり…。なんともみっともない一日になってしまった。
 小鯛は開いて、8パーセントの塩水に1時間浸して一夜干しにした(ちょっとしょっぱいかもしれない)。ばばは「お前は本当にきれいに作るね、お父さんと違って。」と言ってくれる。が、そんなことはない!はるか昔、半世紀以上も前になるが、タナゴ釣りに行ってきた後の父は、青光りするような切り出しナイフで小さなタナゴを、それは見事に開いて竹串を打ち、スズメ焼きを造ったものだ。父のわきで見とれている幼い自分が鮮やかに見えてくる!
 昔の父親達は何でもできたように思う。私の父も、友人の手を借りながら風呂場を建てたり、濡れ縁の上に1間幅4間ほどの土庇のような屋根をかけたりしていた。なにも西部劇の中のジョンウェインだけでなく、日本の父親だってたくましく何でもやってのけた時代が、かつてはあったのだ。それに引き換え今の私は…。Do It Yourself  を世の中の人みんなが始めたら資本主義社会が滅ぶなどとうそぶいていて縦のものを横にもしない!
 いつの頃から世の父親たちが私のように堕落してしまったのだろう?思うに、昭和39年の東京オリンピックの頃、高度成長期を迎えて、猛烈社員などと言う流行語が流行ったころから父親が家族の前から姿を消したのではないか?月給配達人などとさげすまれ、それも銀行振り込みになるとますます父親の影は薄くなってしまった。途中、中流意識がはやり家族全員がゆったりと乗れるワンボックス車が売れた時期もあったにはあったが、火は熾せても風呂場を建てられる父親は現れなかった。今日は鉄砲仲間からカモをもらった。家は造れないが、魚と野鳥は捌けるぞ!負け惜しみにもならないか!