4日、「タイは早いよなぁ、早すぎる!フグなら30分は遅くて済む!タイの午後船が出ればなぁ!」と悩みつつ、もしかしたらと思い大原港新幸丸に電話を入れてみると「はいっ、出ますよ。12時半集合ですよ。」と元気な女将の声が受話器の向こうから響いた。というわけで、5日はタイの午後船に決まり。
 大原に向かう途中、ヒツジの皮をかぶった「55」ナンバーのそれもピッカピカスカイライン2000GTと並走し、なんとおまけに大原近くではいすゞ117クーペを見かけた。何かいいことがありそうだぞと、身勝手な想像をする。11時半過ぎに港着。午前船の釣り師に聞いてみると潮が動かずシブかったらしい。クーラーの中には手のひら大のマダイが4枚に1キロぐらいのヒラメが1枚。頭でも9枚だったとかいう話だ。受け付けに来た女将に車の話をすると、3度目のいいことがありますよと励まされた。
 12時半過ぎ、午後船は4人の釣り師を載せ若船長の操船でベタ凪の海を岩船沖へ向かった。この日は15メーターから26メーターの深さを流した。テンヤは最初4号を付けたが明確に底が取れたので、新幸丸オリジナル2号に替えて夢の大ダイを狙う。と、すぐにコツッコツッという中りに合わせるとうまく鉤掛かりした。多少は引くが重さが勝った獲物はカサゴかなと思いつつ巻き上げると、体色が黄色がかった良い型のショウサイフグだった。これはキープ。刺身が美味い!ポイントを変えたところでは食い逃げばかりされるので孫鉤を頭から足の方へ変えてみた。コツッという小さなあたりに合わせると海底に向かって小気味よい引きを繰り返す。紛れもないタイの引きだ。海面にピンクの濃い綺麗な手のひら大のタイが上がってきた。今日一日シブいかもと思い、目の後ろをアイスピックで突いてシメ、エラを鋏で切りタルの中へ入れた。フライパンならおさまりそうだからから揚げかな、と食卓へと思いは馳せる。しかしタイという魚、何度見てもきれいな魚だ。引き、姿、味と三拍子そろった魚である。
 ぽつぽつとタイを上げ、4枚になったところで20メーターのポイントへ。右舷ミヨシ1番なので思い切り斜め前方へキャストする。テンヤは最初艫方向へ流れ、底近くになると船の下へもぐりこんでくる。2枚潮というのではなく、横流しの船の動きによるものだろう。着底後、一息入れてからすっと誘うとグッと竿先が抑え込まれた。次にタイの引きが来た。たまにドラグが鳴る。「タモ、いりますか?」と聞かれたが1キロくらいかな、引き抜けそうだと答えると「じゃぁたもでアシストするので抜いてください。」といったやりとりの末上がってきたのは1キロちょうどくらいのこれもピンクの濃いタイだった。しめてえらを切ってたるに入れ、次を投入する。22メータ糸をだし、ベールを起こして着底を待つと、底近くでスッと竿先が引かれた。すかさず立て気味の竿をさらに立てると鉤掛かりした。これは度々ドラグを鳴らしてくれる。「さっきより大きそうだよ。」「ゆっくりやってください、あわてなくていいですから。」といったやり取りの後、若船長の構えるタモへ向かって鯛を引いた。上げるとすぐ検量してくれた。1.5キロの中ダイだった。この後も1キロぐらいを追釣した。上手いですねぇと褒めてもらったが、船長が魚の居る所へ連れて行ってくれたおかげである。猟では「一犬、二足、三鉄砲」などと言われるがハンターのバードセンスが決め手である。船釣りでも船長のセンスが何よりものを言う。この後大きなイサキを釣り、薄暗くなってからは3枚の良型タイを釣り、ツ抜けすることができた。
 反省点もある。ギューン、ギューンと来たので最初のギューンで合わせて掛けたが、直後のギューンでまた思いっきり竿を立ててしまった。いうまでもなくテンヤのチモトで切られてしまった。まだまだこんなケースでは冷静に対応できないのだ。薄暗くなってからの1枚は、探検丸に縦に長い群れが出たので、群れの中をゆっくりと巻き上げてかけた快心のタイである。だが、「20メートル」「15メートル」と船長がコールした時はかけることができなかった。ただ巻き上げるだけでなく、チョット止めたり、ふわふわと誘ったり、落としてみたりすれば釣れたかもしれない。
 すっかり暗くなった港では大船長、船長、女将さんがいつものように迎えてくれた。船長からは、久しぶりに鯛らしい鯛を観たと言ってもらった。仲の良い家族である。羨ましい!
 追伸 画像は新幸丸HPをご覧ください。