20140427100822 勿論アブラボウズ狙いだったわけではない!が、23キロともなると、久々の大物?でやはりうれしい。金曜日の釣行後、背中の痛みも復活してしまったようなのだが、したい時には何とでも言い訳を考えるもの!言い訳?リ・ハ・ビ・リ!そう、釣りは一番のリハビリなのだ。 
 3時出船ですよと言う電話の向こうの船長の声だったが、全員の支度が終わったので2時半、河岸払い。たっぷり2時間をかけてポイントに着くと船を止め、潮を確かめたあと第一投投入の合図が出た。鈴栄丸では右舷6人限定で、船を前進させながら艫から順番に投入してゆく。最後の釣り師の投入が終わると今度は後進をかけて糸を立たせてゆく。着底まで前後進やバウを左右に振るなどして6人の道糸を立たせる。見たこともないようなまん丸の真っ赤な太陽が上がり始め、海はたばこの煙もまっすぐに上がりそうなほどの凪だ。第一投は中り無し。「おかしいな?これで釣れねえはずはないんだけどな。」と船長は首をかしげている。木、金は大漁だったからだろう。500メートルも出ているとミヤでは回収にもそこそこの時間がかかる。船を最初の位置に戻し、第二投を470メートル下に送り込む。私は10本鉤にスルメ、サンマ、サバ、白の蛍光タコベイトを順番に付けてある。其々にはたっぷりと味の素を振りかけてある。喰いの様子を見てエサの割合は変えるつもりだったのだが、結果はどの餌にも魚は食いついてきた。「当たったら教えてね。」と船長の声がしたころ、竿先に小さな中りが連続して来た。釣り座は艫2番だったので船長にいちばん近い。「来たよ。」と報告を入れ、少しずつ糸を送り込んでいく。送り込むと言っても海底に這わせるわけではない。船の移動で糸がふける分だけ出し、あくまでもオモリトントンの状態で追い食いを待つ。鈴栄丸では巻き上げの判断は自分ですることになっている。先に中りのあった隣りの人は外道だが4杯を上げた。眺めているうちに私の仕掛けも上がってきて2杯の赤い魚がついてきた。が、やはり外道。ミヨシの方では本命を単発だが上げた。船を回し「ここで中りがあったらメヌケだからね。」と船長のダメ出しがかかる。その言葉通り後検2.8キロのメヌケを手にすることができた。私が取り込むまで巻き上げスピードを調整して、50メーターの差を作ってくれていた隣の方もほぼ同じ大きさのメヌケを取り込んだ。お互い単発だが本命を手にし、ボーズ解消とほっとする。
 10時が近くなり、「最後の流しですよぉ。」と船長の声に励まされるが、だれにも中りは訪れないようだ。「早めにあげてもう一度流すかな。」と船長が呟いている。そして「もう一度流しますから上げてください。」となった。最後の投入を済ませ底を取っているとガク、ガク、ガクっとクロムツの様な明確な中りが竿先に来た。「当たりが大きすぎるなぁ。バラムツかなぁ。」とキャビンから船長が声をかけてくる。うれしくない外道のようだが、上げてみないことにはわからない。釣力モードを「L」にセットし、巻き上げスピードを18で慎重に上げる。時々巻き上げが止まるほどの突込みを見せながらそれでも深海から確実に上がってくる。残り50メーターを切ってからも元気に抗い続けて海底への突込みを見せる。そばに来ていた船長が覗き込み、「黒だ!アブラボウーズだよ。」とタモを構える。5番目のタコベイトに喰いついていたのは後検23キロのアブラボウズだった。船長がギャフを打って船内に取り組んでくれた。最後の最後に久々の大物を釣らせてくれた船長に、巻き上げスピードやドラグ調整のアドバイスをくれた隣の方に感謝しながら快晴、ベタ凪の海を2時間かけて港に戻ってきた。仕掛けだが幹糸は30号、ハリス14号、ムツ鉤18号。因みにアブラボウズはタコベイトに喰いついていました。