木曜の午後、電話を入れると「いいですよ、来てください。」という声が帰ってきた。
 「ん(おかしい)、一人ならいいよ、また今度にするから。」
 「いいですよぉ、エサのスルメを釣らなきゃいけないから、来てくださいよぉ。そのかわりスルメとのリレーになりますけど。2時半集合です。」
 「じゃあ頼むかな、泊めてね?」
 「はぁい、玄関開けときます。」 

 3時、凪の岩和田を船長と私、二人を載せて出港。1時間の航程を経て沖合210メートルのポイントに到着した。人間様が食べたくなるような生きのいいスルメの短冊が手渡されて第一投となった。
 密かに期待していたクロムツが船長の竿に掛かり次は・・・と期待したがメダイの合間にゴマサバが入れ食いとなった。サバは何本かを3枚おろしにして身を削ギ、クロムツとメヌケ用にプールした。もちろん特大サバは血抜きしてこれもプールした。上げて来る途中で急にテンションが無くなる中りが増え、ハリスが切られだした。サメが集まってきたようだ。そこで船長の目的のエサ用スルメイカ釣りにポイント移動をした。
 竿も道糸もそのまま、重りを200号に、仕掛けを18センチのツノに替えて220メーターの海底に送り込む。竿はデープソルジャーⅡ、ビーストマスター9000番に8号というごつい仕掛けだがスルメが特大なため中りは明確だ。3杯も乗ると竿が持ち上げられない。そこそこの波の中を船長は直結で次々と超デカいスルメを釣り上げる。が、私はブランコで単発が多かった。プロは上手いもんだねぇと感心しながら船長の手元を見つめてしまった。

 10時半、エサ用スルメが調達できたようで、沖上りとなった。終わってみればメダイが5匹に小キンメが1匹。スルメが15杯。あとは特大サバという結果になった。船長と二人という分不相応な贅沢を極める釣行だったが、メダイでは誘いを工夫してみればよかったし、スルメでは直結を練習すればよかったと反省している。月末は祭礼のため全船船止めになる。10月からはヒラメオンリーなので、もう一回行きたいが・・・・。

 
 おまけです・・・・・帰ってきてから知らされたことだけれど明広丸の布団にもぐりこんだ頃、床に落としたものを拾おうとして母が車いすから落ち、救急隊のお世話になっていた。奥は入院を覚悟したらしい。額を切り大分血は出たが(奥の状況説明によると「血の海」)幸い意識も戻り、MRIにもレントゲンにも異常は発見されず帰されていた。夕方、メダイや大サバ、特大スルメを持って心配をかけたご近所に「ハハは無事」の報告をして歩いた。