うちの奥さん、どういうわけか温泉というと箱根箱根、ハコネというので、仙石原仙郷楼に泊まってきた。金太郎は今回、秦野の次男宅に里帰りし、奥と二人の温泉旅行だった。
 一カ月以上も前から空室状態をみていたのだが、尾花の季節は終わったのにもかかわらず露天風呂付の部屋はだいぶ先まで満室状態でキャンセルも出ない。安上がりな分グレードアップした料理と濁り湯、それに紅葉を期待して車を走らせた。
 2時前には仙石原のススキの原に着いたが雨が降り出した。その雨の中を散策をしているらしく傘がいくつか揺れている。いいねえ、人影もまばらなススキの原をぶらりぶらりなんて。うち?足元の備えと、傘が1本だったのでパス。認知症を患った老夫婦が青木が原と間違い死地を求めて彷徨しているようだと通報でもされたら恥ずかしい。尾花は花穂の頃も勿論良いけれども、風がなく冷え込みの厳しい早朝、一面の枯れ尾花に真っ白な霜が降った景色もこれまたよい。この朝日にキラキラと輝いている風景の方が私は好きだ。しかし、一回でも雪が降ると雪の重みで倒されてしまうので積雪地では数えるほどしか見ることはできないのが残念だ。
 車で行き来してながめた後、ポーラ美術館で名だたる名画を眺めた。ここ、シニア料金で200円安。そのあと約束の時間を過ぎて宿に入った。部屋は角部屋のベッド付き、和洋室というのかな。釣り船の中でもゴロンと横たわってしまうと、起き上がるのが不自由する体では畳には寝られない。明日の朝までをお世話していただく仲居さんは「よし子さん」。最近では珍しくなったシステムだけど、旅に出た雰囲気が味わえていい。美味しい料理と酒をいただいたあとは濁り湯にゆったりと身を浸し、ベッドに横になった。
 翌朝は朝日を浴びて真っ赤に染まった金時山の稜線を眺め、はるか下の温泉街を覆う白い霧の移りゆく様にしばし見とれた。露天風呂で酔いを醒まし、よしこさん達に見送られて宿を後にした。関所跡を見学し、浄蓮の滝や旧天城街道を走り(歩いている人がいたのにはびっくりした。それも下田側から。)、沼津から新東名に乗った。秦野で一旦東名を下りて金太郎を拾った。帰宅する途中、なぜか金太郎は怒っていた。何度呼びかけても「ニャァアグルグルルー!」と鳴き、「ミャァーー」といういつもの優しい鳴き声は聞かれなかった。どうしたのだろう?夕飯は質素に共に50%オフの刺身と焼き鳥とボージョレー。ボージョレーは・・・2500円。んー、素直な…ワインかな。

ところで、奥様、ハコネに特別な思い出でもあるのだろうか?マサカね!うちの奥さんに限って艶っぽい過去があるはずはない!
私?ワタシねぇ・・・。