父が他界してから毎朝お線香をあげ、鈴を鳴らすのは私の役目。人だけでなく、家で天寿を全うした犬、猫も顔やしぐさ、エピソードを思い浮かべながら鈴を打つので鈴の数も多く多少の時間がかかる。人と畜生を一緒にするなんてとおしかりを受けそうだが、犬や猫も私にとっては家族の一員だったからお許しいただきたい。

 先日亡くなった叔父は天寿を全うしたのではないだろうか?父方の叔父たちだが、一人は結核で、次の叔父は玉砕で、この二人は私が生まれる以前の他界だったので当然のことながら会ったことはなく、声も聞いたことは無い。本家の叔父は小柱に当てられて死去。父は溶連菌感染で集中治療室に運び込まれたが一泊二日で死去してしまった。父までは事故のような無くなり方で、もっと生きられたはずだと思う。

 先日亡くなった叔父は10日ほど入院した後は形のあるものは食べられなくなっていたが自宅に退院した。叔父が産まれたころからのかかりつけのDr(勿論代替わりはしているが、「昔ながらの往診」もしてくれていた。)からはずっと前から、入院した病院でも「老衰」と宣告され胃ろうもできなかったので、本人の希望通りに自宅で最期を迎えることになったのだろう。父たち兄弟の中で唯一天寿を全うしたと言ってよいのではないか。6月の末、母の七七忌をすませて香典返しを届けた時は玄関まで見送ってくれた。その後、歩けなくなり、訪問入浴サービスを受けるようになってからはわずか1カ月後の死去だった。最後の時も眠るように亡くなったという。今年5月に母が88で、今回叔父が87で召されていったが、「やあ、姐さん。」「あら、総ちゃん。」と声を掛け合っているのではないだろうか。釣りが好きな叔父だったが、もう一回魚を届けるチャンスはあったのに届けそびれてしまったことが悔やまれる。