なんだか突然、薄い飴色を帯びて透き通ったヒラメの刺身が食いたくなった。ついでにあのガッガッガも味わいたい。鹿島なら34枚は固いだろう、と、皮算用をはじいて昨日長岡丸の船上の人になった。 

 右舷ミヨシから2番目に釣り座を構えて515分河岸払い。1時間北へ走り、釣り開始。イワシはやや大きめだ。大きいヒラメが釣れるだろうとこれまた皮算用をはじく。船長はイワシの群れを探しているようでスラロームを繰り返し、時折船を停めては「さあ釣れい!ヒラメはこの下にいるぞ。」と指示を出す。しかしこの日、ヒラメの食い気は今一のようでなかなか中りは来ない。でも期待通り、ガッガッガと来た。最初だからと慎重に喰い込むのをじっと待ち、合わせを入れる。鉤掛かりしたようで海底に向かって引き込む魚の抗いを味わっていると軽くなってしまった。隣の方がタモを構えてくれていたが「バレた?」とけげんな顔をし、私も「バレたかな?いや?なんかついているみたいだけれど…。」と答えながら巻き上げると上がって来たのはシッポの先まで入れても30㎝あるかないかといった立派な?ソゲだった。お守り代わりに樽に入れた(沖上りの時にリリースした)。
 スラロームを繰り返すがイワシは見つからないようでクルージングの繰り返しだ。偶に止まった時には底を切り、1m半ほど上をイワシが泳ぐイメージで糸を垂れた。が、中りは来ない。これじゃ鹿島じゃぁないよなと愚痴も出る。位置も大洗に近づいている。やっとヒラメが当たったのは10時を過ぎてから。ドラグをすべられせながら船長のタモに納まったのは小さめには見えるけれど肉厚で1.5キロ弱ぐらいのヒラメだった。ホッとしたのは言うまでもない。
 この頃になるとミヨシの方も艫側の人もヒラメを釣り上げ始めた。それも2㌔は十分ありそうでシッポが樽から飛び出ている。他人の獲物がことさら大きく見えるのはさもしい性格のためか?「あのくらいは欲しいな。」と思っていると再び中りが訪れた。慎重に引き込みを待ち、竿を立てると・・・掛かった。ウン、大きそうだ。船長もタモを構えて「大きそうですね。」と喜んでくれる。が、姿を現したのは大きなサメだった。船長がタモに獲り鉤を外してくれたが、がっかりだった。中りも引きもヒラメのようだったんですけどねぇ。

 昨日の中りは3回。打率は10割だったが、不完全燃焼気味だった。ボウズの方も2人出て、頭は4枚だった。2キロ越えも多かったようだが総じて中りは少なかった。今日、鱗を引き、作に取り分け晦日あたりには刺身で味わいたい。昆布締めもいいな。